相馬楼では昼食付舞娘演舞鑑賞と称する企画があり、2階のこの絵の部屋で食事をしながら舞娘さんの演舞を鑑賞できます。

絵に描いた部屋と実際の部屋と異なる点は、畳が紅白の市松模様になっている点です。絵の中の三味線を弾いている芸妓(小鈴)さんが、かつて舞娘さんだった頃は、畳は美しく市松文様に紅花で染められていて、舞娘さん方の白足袋の底は、紅花の色が移って紅くなったと聞いています。現在は長年の間に色が少しずつ落ちたり褪せてしまったのか、同系色の市松文様になっています。 絵の制作にあたり当初の畳を想像して描きました。その他はこの絵のとおりの部屋です。

     歌詞について( 歌詞と解説「俺の日本舞踊」参照 )

♪ 紅葉の橋のたもとから

  袖を垣根の言いずてに

  ちょっと耳をばかささぎの

  霜もいつしか白々と

  積もるほどなほ深くなる

  雪をめぐらす舞の手や

  ヨイヨイ、ヨイヨイ、ヨイヤサー ♪

秋から冬にかけての季節の移り変わりを、天の川の故事を引用しつつ描く雅な曲。掛詞で言葉を紡ぎ、展開していく。歌詞の内容に深い意味はないが、テンポの良い曲です。 

  橋のたもと→ 袖(のたもと)につながる

  袖を垣根は家の入り口に設ける袖垣根のこと

  ちょっと耳をばかささぎの→ 耳を貸す と 鳥のカササギ

  霜もいつしか白々と→カササギの腹の色が白いのと関連している

  雪をめぐらす舞の手→ 雪が回らす(ひらひらと降る)  回らす舞の手

1879年 グラント元18代大統領(元アメリカ北軍将軍)が婦人と共に世界周遊の途中、来日。その際に新富座にて行われた招待芝居のために作られ、披露されたという。