この絵は、もし題名が付いていなかったら、枯れてしまった大木に見えるかもしれない。
そのせいだろうか、桜が満開に咲いている絵の方が良いようなことを言われたことがある。
確かに、室内に飾るにはその方が良いかもしれないなあと思った。
しかし、私は、この老木を最初から擬人化して描きたかった。
老いた桜の巨木を人々は敬意を表し大切に保存しようとする。一部枯れようとも。格好が悪くなっても。
枯れるまで慈しむ。 老人になるならば、この老木のようでありたいということを表現したかった。
そのためには、この姿の方が良かったのです。